適応障害ってなんだろう?
こんにちは。適応障害で療養中のたまご豆腐です。
「適応障害を克服するために」なんてブログのサブタイトルをつけておきながら、「適応障害」とは何かということについて今まで一度も記事で書いたことがありませんでした。
実は私は医師に「あなたは適応障害です」と面と向かって診断を受けたわけではありません。
会社に診断書を出す際に「形式上、適応障害と書きますが診断名にとらわれないでくださいね」と言われて初めて病名を聞いたんです。
適応障害について医師から詳しい説明を受けたわけでもないため、実はよく知らないというのが事実です。
医師としては、病名にとらわれたりレッテル貼りをしたりするのが私の治療の妨げになると思ったんだと思います。
しかし人間とは困ったもので…一度病名を聞いてしまうと気になってしまいますよね。
診断名がついてから、ネットや本で適応障害についてたくさん調べてきました。
でもあまりピンとこなかったり、受け入れられなかったりしたこともあってなかなか自分の中で消化できていませんでした。
そこで今回は、自分の頭を整理するためにも、本で調べたことや私自身のことを踏まえて適応障害についてまとめていきたいと思います。
適応障害の特徴
適応障害の特徴としてよく書かれているものとしては
- ストレス要因がはっきりしている
- ストレスが消えれば比較的短期間で症状も消える
といった2点があります。
ストレス要因がはっきりしている
私は、初診の時点で、職場に行こうとすると体が重くて動かない、動悸がする、冷や汗が出てくるといったことを症状として訴えました。
当時は職場に行けないことが一番困っていることだったので、それさえ治して出勤したいという思いが強かったからです。
通院を続けていくうちに、働き始めてからというもの、抑うつ感や寝付きの悪さ、食欲の低下、判断力・集中力の低下などがあることに気づかされました。
こういった点で、私のストレス要因は「仕事」ということでハッキリしていたと考えて良いと思います。
他にも、就職、結婚、昇進、転職などの環境変化、人間関係のトラブルなどがストレスの原因となることが多いそうです。
ストレスが消えれば症状がなくなる
『適応障害のことがよくわかる本』には、以下のように書かれています。
適応障害の大きな特徴に、症状は六ヶ月を超えないということがあります。原因となるストレスが取り除かれれば、すみやかに軽快します。この時間的な関係が重要なのです。
ストレスが消えても六ヶ月以上症状が残るのであれば、別の病気、たとえばうつ病や気分変調症が続いて発症したと考えます。
ただ、ストレスのなかには職場の人間関係のように、簡単に取り除けないものもあります。そのため適応障害が慢性化することもあります。
私自身、休職して6ヶ月が経っています。
冷や汗や動悸といった身体症状はだいぶおさまってきましたが、寝付きの悪さや抑うつ感、判断力・集中力の低下はまだ残っています。
また、職場の最寄り駅に行くといまだに動悸が出てきてしまいます。
ストレスとなる職場から離れている間は、冷や汗や動悸はないのである意味では症状がなくなっていると考えても良いと思います。
ただまだ残っている症状もあるので、症状をどこまでと判断するかによって私があてはまっているかが変わってくると思います。
このことについては、この前の診察で医師に相談しました。
適応障害はストレス要因から離れれば、すぐに良くなるはずなのに私は全然治らない…と泣き言を言いました。
「人によって受けてきたストレスは違う。だから短い人もいれば長い人もいる」と言われました。
(本に則るのであれば、六ヶ月過ぎた時点で症状がなくならなかったら、別の病気に片足つっこんでいる可能性もありますが…ただ主治医の言葉を聞く限りでは、そこまで病名にこだわる必要はないのかなとも思います)
適応障害の症状
適応障害の症状としては、
- 抑うつ、不安感
- イライラ
- 耳鳴り、肩こり、頭痛、不眠など体の不調
だいたいこんなものがあげられていました。抑うつ・不安の症状を訴える方が多いそうですね。
私の場合は、不安感に伴う動悸・冷や汗が辛かったです。
あとは抑うつ感、不眠、生理不順、胃腸の不調、食欲不振がありました。人によってはめまいが強く出るということも聞いたことがあります。
ミニ・フラッシュバック
私がなるほどなと思ったのが「ミニ・フラッシュバック」。
「ストレスのもとになったできごとが何度も頭に浮かんできて苦しむ」ものらしいです。
PTSDのような生命にかかわるほどのトラウマではないため「ミニ・フラッシュバック」と言うそう。
私も取引先の担当者から言われた一言を思い出しては、いつも辛い気持ちになっていました。夢に何度もでてきてはうなされたりしていました。
もともと嫌なことを何度も思い出してしまう性質なのですが、鮮やかな映像が頭に浮かんできて苦しい思いをしました。
起こりうる症状
他にも適応障害と併発して
- 気分不安定
- 行為の障害
- 物質依存
などが起こりうるそうです。
気分不安定
気分不安定というのは、ストレスのもとがないと気分が晴れて普通に過ごせることを言います。
仕事が辛くて会社を休んでも、自分好きなことは楽しめることがあるため、周囲の人から理解されにくくなってしまいます。
私の場合は、今でこそ不安定さがありますが、休職したばかりの頃は何もできませんでしたね…。休職してからブログを始めるまでの2ヶ月間の記憶がほとんどありません。多分どこにも出かけずずっと寝ていたんだと思います。
行為の障害
まれに違法行為を起こしてしまうこともあるそうです。ネガティブな感情をコントロールできず、どこか投げやりな気持ちになってしまうとのこと。
青年期の適応障害にこのタイプが多いそうです。
物質依存
適応障害と診断された方の中には、アルコールや薬物の乱用をしてしまうこともあるそうです。
この場合は、ご本人がなかなか治療を受けようとしないので、周りの人の助けが必要になります。入院治療が行われることもあるそうです。
他の病気との関連
ほっておくとうつ病に移行する可能性もあると書いてありました。
ほかの病気の診断基準を満たしていない場合に、適応障害と診断することも少なくないそうです。もしかしたら私もそうだったのかもしれません。
最初に適応障害と診断されて、ストレス要因から離れてもなかなか治らなくて…うつ病と診断された、ということも聞いたことがあります。
個人の資質
適応障害は最初にも述べた通り、原因となるストレスがあります。
しかし同じストレスでも適応障害になる人とならない人がいます。それは個人のストレス耐性に大きく関わっていると考えられるそうです。
一般的に、きちょうめんで責任感があり、頑張り屋さんが適応障害になりやすいそうです。
しかし、私は几帳面でも責任感が強いわけでも頑張り屋さんでもなかったと思っています。
『適応障害のことがよくわかる本』によれば、下のような気質・体質の人は適応障害になりやすい傾向にあるそうです。
- 感情の振り幅大
感情の表し方、処理のしかたがわからない。喜怒哀楽やイライラを極端に出してしまう。 - 傷つきやすい
周囲の人には理解できない程度のささいなことで傷つく。プライドの高さが関係していることも。 - 白黒思考
ものごとを白かクロかで判断し、グレーの部分を認められない。100点でなければ0点と同じ。 - 断れない
無理なことやいやなことも断ると相手にわるいと思い自分を抑えてしまう - まじめだが、がんこ
いい加減なことは許せない。これと思ったことは変更できないがんこなところもある。 - 自律神経失調傾向
ストレスは自律神経を介して脳に影響する。もともと自律神経のバランスが乱れやすい人
これを読んでどれも自分にあてはまっていると思いました。
特に「プライドの高さ」や「傷つきやすさ」については今までの記事でも書いてきた通りです。
「自律神経失調傾向」についても、小学生の頃から全校集会で貧血で倒れたり、大人になってからも電車で倒れてしまうことが多々あったので当てはまると思います。胃腸の弱さにもずっと悩んでいたのであるとき病院に行ったら「自律神経の問題だね」と言われたこともありました。
幼い頃から過剰適応してきた
他の特徴として、適応障害の人の中には子どものころから「いい子」だった人が少なくないとも書かれていました。
周囲の大人の期待を察知して応えてきた「過剰適応」の子どもだったともいえます。
我がままをいわず、聞き分けがよく、自分を抑えていました。当然、大人からの評価は高く、プライドも高い傾向があります。
ところがその反面、自己主張ができず、感情や欲求の表し方がわからなくなっています。大人のいうとおりにしてきたため、依存的になっていることもあります。
思い返してみると、私には反抗期というものがあまりなかったような気がします。
姉は言いたいことを言う性格で、母とよくぶつかって喧嘩をしていましたが、姉と比べると私はあまり喧嘩をしたことがありません。
自分としては特に不満や強い欲求もなかったので、それを抑えてきたという自覚もないのですが、そういう意味で親離れできていないのかなという気もします。
いまだに母の言葉には過剰に反応して傷ついてしまうことがあります。
それに父とはもともと仲が良いのですが、病気になってからというもの一人では何も決められず、父に対して依存的になっている気がします。
治療法
私が医師に書いてもらった自立支援の申請書の治療の方針欄かなんかにも、薬物療法と精神療法を併せて…みたいなことが記入されていたような気がします(うろ覚え)。
薬物療法
薬物療法は名前の通り薬の力を借りて、身体症状や精神症状を抑えるものです。
私も、不安を抑える薬や寝付きをよくする薬、抗うつ剤を現在処方してもらっています。
大切なのは、①薬を勝手にやめないこと、②他に服用している薬を医師や薬剤師に相談することだそうです。
精神疾患に効く薬というとどうしても抵抗がありますよね…。私も最初はかなりありました。でも医師の指示通りに飲まなかったり勝手に薬をやめたりして良かったという人を見たことがありません…。どうしても薬に抵抗がある場合には、自己判断で薬をやめるのではなく、その旨を思い切って医師に相談してみましょう!
精神療法
精神療法では原因となるストレスをつきとめてその受け止め方を楽にしていくことが中心となるそうです。
精神療法というと、カウンセリングが一番イメージがつきやすいですよね。他にも暴露療法や認知行動療法など色々な方法を併用していき、ストレス対処できるようにしていくそうです。
私も認知行動療法にはかなり興味があるので、いずれ調べてブログにも書いていきたいと思います。
他にも生活リズムを整える生活療法も大事だと本には書かれていました。
治療のために一番大切なのは…
治療のためには適切な病院で、適切な治療を受けることが大切です。
しかしそれ以上に大切なのが、本人の気持ちだと思っています。
病気を治すのは医師でも周りの人でもありません。自分で自分を治していく強い気持ちが大切です。
もちろん私もマイナス思考に陥ったり、ウジウジと引きずったりしてしまう時があります。けれど少しでも前向きな気持ちで治療に取り組んでいきたいと思います。
本に良い言葉が書かれていたので紹介します。
自責の念をもつことは病気の回復にプラスになりません。後悔ではなく反省し、次に生かせばいいのです。
まさか適応障害になってしまうなんて、少し前の自分には想像もつきませんでした。正直、今でも時間を戻せるなら戻したいと思うこともあります。
しかし適応障害になったことで、見えてきた世界もあります。周りの人への感謝も今までよりたくさん感じるようになりました。人にも自分にも優しくなれた気がします。
前向きに自分のできることをこなして、早く病気を克服し社会復帰できるようにしていきたいです。
そして私が元気になったら、今私と同じ悩みを抱えている方の力になれればと思っています。
長い文章を読んでいただき、どうもありがとうございました。
この記事を書く際に参考とした文献は以下の通りです。